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ID-POSデータ分析

【理容室の成功事例】 顧客データ分析の発想がない業界こそ分析が威力を発揮!

 平成28年2月26日付けの日経新聞夕刊2面に次の記事が載って

いました。

 

「カット店の未来図創る オオクシ社長 大串哲史さん」

 

オオクシは千葉県を中心に約40店舗を展開するヘア

カットチェーン。

 

13期連続の2桁成長をけん引するのは、顧客データ分析

を活用し、

 

従業員のカット技術の向上させたことによるお客様の

再来店率向上とのことです。

 

社長のついたばかりの29歳の頃、商圏内の競合の激しさ

に頭を悩ませていたとのこと。

 

そこで思い出したのがかつてアルバイトをしていた

コンビニエンスストアのPOSシステム

 

これを理容店の売上アップに応用しようと思いつくの

ですが、理容業界にはデータ分析という発想がなかった。

 

そこでシステムを手作りするのです。

 

具体的には、顧客の属性(性別や年代)や担当者の対応

(髪型、仕上げなど)を蓄積していったところ、驚くべき

結果がわかったとのこと。

 

従業員が得意だと思っていた髪型に仕上げたお客さま

が戻ってきていなかったりといった事実が判明したのです。

 

つまり「リピート訪問率」が低かったということ。

 

そこで従業員に、研修を受けさせ苦手な髪型を教えた

とのことです。

 

するとリピート訪問率が改善されて現在は全店平均で

84%と10ポイント以上高まったとのこと。

 

「データから『できる社員』『繁盛店』を探し、

現売に行って秘訣を見つけ出し、全店に広める」

 

まさにデータ分析を企業経営に生かした成功事例ですね。

 

 

◆成功のポイント

1 顧客データを活用するには、顧客属性をきちんと取ること

   →今回の場合は、システムを自社仕様にしたことで既存の

  POSシステムでは取れない顧客の年代・性別など属性も 

  入力できるようにしたこと。  

 

2 売上アップの鍵となる数値(ヘアカットチェーンなら  再

  来店率)を見極め、なぜその数字が低いままなのか原因を

  突き止めること。

  →今回の場合はお客様が仕上がりの髪型に満足していない

  こと。

 

3 原因を突き止めたらそれを改善する仕組みを導入すること

  →今回の場合は研修センターで従業員にカットなどを教え

  こんでいったこと

 

ID-POS情報を商品開発・生産に生かす ユニクロの取組

2016年1月21日付の日経新聞に掲載された記事です。

「ユニクロ アプリ経由で解析 販売情報を商品開発に生かす」
 
性別や年齢などお客様の個人属性情報と、購買データをスマホで収集。
 
データを分析してトレンドを商品開発に生かす取組を行うという内容
でした。
 
個人の購買情報と属性情報はスマホのアプリから収集するのですね。
 
確かにアプリを使用すれば、店員がレジで顧客の見た目で性別・年齢
を打ち込むよりはより正確な情報が取れますから、
 
データ分析もより精度があがるでしょう。
 
この取組みの記事で、他業界でも知っておくべきポイントがあります。
 
 
■データを分析するだけなら簡単、難しいのは活用する体制づくり
 
顧客のID-POS(購買)データを分析するのは、さほど難しいことではありません。
 
今は10年前に比べおどろくほどハードもソフトも進化したからです。
またID-POSデータは基本的に、
 
・いつ
・だれが
・どの店で
・何を
・何といっしょに
・いくらで
・何個
 
買ったのか
 
という情報です。ここに「性別」と「年齢」という2つの属性情報
が入るので、何を分析の軸として購入金額や人数、個数をサマリする
かという問題になります。
 
それより難しいのは、分析した結果をうまく活用していくかの仕組み・
体制づくりです。
 
今回でいえば、たとえば
「男性向けに人気のある柄ものカシミアセーターSサイズは、実は女性
も多く買っていた。」ことが分析からわかったら、
 
それを短期間で女性向け柄ものカシミアセーターを開発・売場に投入
できる仕組みが作れるかということです。
 
こちらの方が余程難しいです。
 
なんといっても素材の調達・工場の手配から売場への配荷までを、短期間
で実行しなければならないからです。
 
アパレルはそれに加えてトレンドや天候という不確定要素により売上が
影響を受けます。
 
それにあえて挑戦するユニクロの取組から今後も目が離せません。

ID-POSデータの活用法 その2 必要な情報を見極めている小売業O社の例

「その1」では、顧客の属性情報の正確な
収集は難しいこと、

そして、それでも敢えて正確に取得出来る
仕組みを作り上げるか、

その部分は捨て去り、正確な情報だけを使い、
経営に有用な知見に変えていくか、

2つの道のどちらを選択するかは、企業の戦略
が企業側の戦略が分かれる所であることを
お伝えしました。

ここでいう正確な情報とは、言い方を換えれば
「人手を介さないで収集出来る情報」です。

つまりレジから上がってくる買上情報や、レシート
枚数等を指します。

この正確な買上情報の他に、どんな顧客絡みの
正確な情報があれば、

経営上にプラスになるのか。

首都圏を中心にディスカウントストアを展開している
O社は、カードを発行していますが、発行時に、
カード会員の年齢や家族人数等、正確に取得でき
ないと思われる情報は一切集めていません。

唯一集めていた情報は何だと思いますか?

それは、

「郵便番号」

です。

郵便番号について嘘の記述をする人は、年齢に
比べるとあまりいないと思われますし、

嘘をつく理由も、年齢ほどには見当たりません。

従って正確に補足出来る率が高い のです。

またO社側も、カード会員の郵便番号が分かる
ことで、商圏がわかりますし、

商圏が分かれば、競合店も把握できますから、
それら競合店との価格比較は可能ですよね。

また将来の出店計画にも活用できます。

O社は合理的で賢い運営が徹底されているな、
とつくづく感心しました。


この様に、情報は多ければ多いほどいいもので
はありません。

自社の情報収集・加工レベルに併せ、戦略に併
せて必要な情報を見極め、

必要な情報のみをきっちり集めること。

不要と思ったら、潔く取らないことも大切です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

ID-POSデータの活用法 その1 前提となる要素

まず「ID-POSデータ」は、

「購買情報」「購買データ」「FSPデータ」
「購買履歴データ」
などとさまざまな
呼び方をされますが、

基本的には同じ意味です。

すなわち、

リアルな小売業であれば、ポイントカード
や電子マネー会員様が購入した商品の
情報

ネットであれば、お客様が商品を購入したと
いう情報

を指しています。

この購買履歴は、分析することにより、様々な
お客さまの買い方の実態が分かります。

ただし、お客様の買い方をより正確に把握する
ためには、 「前提」があります。

それは、

属性情報が正しく入力されているか。

ちなみにポイントカードの顧客属性は、通常
カード会員募集の際に、入会申込書に記載
するようになっていますが、

手書きであるため、後でコンピュータに入力
する際に、スーパーの社員の方が読めなか
ったり、読みとりが不可能だったり、

お客様が、生年月日や年齢・年代を事実とは
異なって記入したり
(気持ちは分かる部分もあり)、

と正確な情報を取得することが困難なケース
が多く、

年齢や家族人数が「不明」で処理されるデータ
が全カード会員の3割~5割
といった企業も
少なくはありません。

元のデータの精度が高くなければ、分析結果も
当然押して知るべし・・・。


お客様の属性データと購買履歴とを併用しての
分析、意外と困難が伴うものです。

それでも、顧客属性情報を正確の取得出来る
仕組みを作り上げるか、

それとも、

その部分は捨て去って本当に正確な情報だけ
を使い、経営に有用な知見に変えていくか、

企業側の戦略が分かれる所です。

 

関連陳列とは?そのメリットと落とし穴

こんな経験はありませんか?

例えばパスタを作ろうとスーパーマーケットに行って
パスタとパスタソースは買ったけど、粉チーズを買い
忘れたとか。
 

うなぎを買ったけどビン入り山椒を買い忘れたとか。

スーパーマーケットではある程度はデータに基づいて
お客様がある料理を作ろうとする時に何と何を一緒に
に買い物カゴにいれる傾向が高いかという情報を持って
います。

従って種類の違う商品同士であっても買い物の仕方に併せて
同じ売り場に並べてお客様の買い物をよりし易くしている
のです。これを「クロスマーチャンダイジング」あるいは
「関連陳列」とよんでいます。

今までに分析した中では、「ニラとチチ”ミの素」や「ナンプラーと
香草」「かつおのタタキとにんにく・しょうが」といったように、

日持ちのしない野菜や、「つま」「薬味」的なものと、メインの
商品
を一緒に買われる傾向があるようです。

特に脇役ではあるけれどそれがないとしまらないスパイス、
薬味類を生鮮品と一緒に陳列することは、買い忘れの防止
効果も発揮してとてもメリットがあります。

でもここで普段あまり料理をしていない店員さんだと思わぬ
落とし穴にはまります。

それは

「そうか、じゃあカレーの具に必要なじゃがいもと人参、
たまねぎの野菜コーナーにカレールーを並べよう」

とするのです。

これは全く効果を発揮しません。なぜでしょうか?

じゃがいも、人参、たまねぎは、ほとんどのお客様のお家に
すでにあることが多いのです。従ってカレールーと一緒に買わ
れる傾向は高くありません。

このように「家庭内在庫型」商品を把握することが関連陳列
のポイントなのです。

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